[057] フロッピー起動ツールをCD-ROMから実行する
FeatureTool(HGST)やPowermax(Maxtor)など、ハードディスク関連ツールの多くは、FD(フロッピーディスク)から起動しますが、これらをCD-ROM起動で実行する方法を解説します。
FDDがないパソコン
HGSTのFeatureToolやMaxtorのPowermaxなど、ハードディスク関連ツールは、
起動FD(フロッピー)を作成し、そこから起動して実行するものが大半です。
しかし、最近はFDD(フロッピーディスクドライブ)を
搭載していないパソコンも増えてきました。
USBのFDDがあれば作成はできますが、
USBのFDDからの起動に対応していない場合は実行ができません。
CD-ROMから起動させるようにする
FDDがなくても、CD-ROMドライブがある場合は、CD-Rで起動CD-ROMを作成することで実行できます。
しかし、Memtest86のように起動CD-ROMイメージが用意されている場合は良いのですが、
それがない場合は、そのイメージから準備しなければなりません。
FDイメージ → CD-ROMイメージ → 起動CD-ROM
Virtual Floppy Driverというソフト(GENERAL PUBLIC LICENSE)があります。
これは、仮想のFDDを作成するソフトです。
これを使うと、お使いのパソコンにFDDがなくても、FDDを用意することができます。
そのFD内のファイル類は、イメージとしてHDD上に作成されます。
そのイメージを起動CD-ROMイメージに変換し、CD-Rに焼けば、
起動CD-ROMを作成することができるわけです。
FDイメージの作成
Virtual Floppy Driverを入手し、解凍してください。
解凍すると「vfd」というディレクトリの中に「vfdwin.exe」というファイルがありますので、ダブルクリックして実行します。
実行すると「Virtual FD コントロールパネル」という画面が表れます。
画面の下部に
Virtual FD ドライバが停止されました。
Virtual FD ドライバが開始されました。
と表示されていない場合は「インストール」そして「開始」をクリックしてください。
「イメージ」には、作成するFDイメージの名前(任意)を入れます。
例えばMaxtorのPowermaxのイメージを作成する場合、
「powermax.img」と入力すると良いでしょう。
イメージは「vfdwin.exe」と同じ階層に作成されます。
サイズは1.44MBを選択します。
ドライブは「A:」を選びます。
これは、大抵FDDはAドライブであるという決まりがあるためです。
B:でも作成できますが、Powermaxのインストール先はA:と決まっていますので
B:ではPowermaxをインストールすることができません。
FDDが搭載されているパソコンの場合は、既にA:がそれに割り当てられていますので
A:に設定することができません(A:がプルダウンメニューにない)。
「ドライバ」は「vfd」ディレクトリ内の「vfd.sys」が指定されているはずです。
この状態で「マウント」をクリックします。
上記で「イメージ」に何も入力していない場合は、クリックすることができなくなっています。
すると画面下部に「Virtual FD イメージがマウントされました」と表示されます。
マウントとは、フロッピーをドライブに入れた状態に相当します。
この時、マイコンピュータ内に物理的にはないはずのFDDが出現します。
これが仮想FDDです。
仮想FDDをダブルクリックすると、
フォーマットされていない由のメッセージが出ますので、フォーマットを行います。
(未フォーマットのフロッピーを開こうとした状態に相当)
クイックフォーマットにはチェックを入れないで下さい。
仮想FDDであり、実際はHDDにあるため、フォーマット速度はかなり速いです。
フォーマット後、仮想FDDを開くと、ファイルがない状態が確認できます。
(フォーマット済みのフロッピーを開いた状態に相当)
この状態のまま、ダウンロードしておいた「powermax.exe」を実行します。
仮想FDD(A:)は準備されていますから、そこ(A:)に対してインストールするわけです。
Powermaxのインストールが終わり、A:を開くとファイルがインストールされています。
この時に、ハードディスク(HDD)の静音化 AMSETの
「AMSET.EXE」と「CHIPSET.DRV」も入れておくと、静音化も実行できるようになります。
インストールを確認したら「アンマウント」をクリックします。
これでマイコンピュータから仮想ドライブが消えます。
ここでの目的は、起動FDイメージを入手することです。
先述したように「vfd」ディレクトリ内に「powermax.img」というファイルが作成されています。
これでFDイメージの作成は終了です。
CD-ROMイメージの作成
上記で得たのはFDイメージですので、CD-ROMから起動するためには、
これをCD-ROMイメージに変換する必要があります。
そこで、起動FDイメージをISOイメージに変換するプログラムを入手します。
GUI版とバッチファイル版がありますが、
変換するだけですのでバッチファイル版で良いでしょう。
解凍すると「ISOイメージ作成.cmd」というファイルがありますので、
そのショートカットを作成しておきます。
ショートカットは様々な方法で作成できますが、その一例として「ISOイメージ作成.cmd」を右クリックし、
送る>デスクトップ (ショートカットを作成)でデスクトップにショートカットを作成することができます。
上記で作成した「powermax.img」を「ISOイメージ作成.cmd」のショートカットにドロップします。
必ず「ショートカットに対して」ドロップしてください。
「ISOイメージ作成.cmd」に対してドロップしても動きません。
すると、DOS窓(黒い画面)の上に「名前を付けて保存」という画面が出ますので、
「powermax.iso」と名前を入れ、保存先を指定して「保存」をクリックします。
問題なく変換できると「ISOイメージの作成が完了しました」というメッセージが表示されます。
確認できたら何かキーを押して、黒い画面を消します。
保存先に「powermax.iso」というファイルができています。
これが、CD-ROMのイメージファイルです。
起動CD-ROMを作成する
作成したイメージをCD-Rに焼き、起動CD-ROMを作成します。
isoイメージの焼き方は他で多数解説されていると思いますので、ここでは割愛します。
起動CD-ROMから起動する
作成したCD-ROMをドライブに入れ、電源を入れます。
作成に問題がなく、CD-ROMから起動する設定になっていれば、起動できるはずです。
CD-ROMから起動するためには、予めBIOSで起動順位を設定しておく必要があります。
CD-ROMの起動順位がHDDよりも後だと、HDDにあるOSが起動してしまいます。
優先順位を高めておいてください。
注意点
作成した起動CD-ROMは、FDとは異なり書き込みできません。
HDDツールのログをFDに残すような機能は、
書き込みを伴ないますので実行できません。
書き込み禁止にしたFDと同じ状態に相当するわけです。
応用
上記の方法を使うと、Powermaxだけでなく、
Drive Fitness TestやFeatureToolもCD-ROMから実行できるようになります。
(現在ではCDイメージも配布されていますのでそちらを使う方が早いですが)
また、MS-DOS起動ディスクもCD-ROMから起動できます。
更新履歴
- 2005/02 作成、公開
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