[026] ヘッドホンSE-M380とSE-M555Vを比較する
Pioneerの密閉型ダイナミックヘッドホンである「SE-M380」と「SE-M555V」。形も仕様も両者は同じですが、定価は3,800円と4,500円と異なります。その違いを比較してみました。
両者の仕様
「SE-M380」と「SE-M555V」の仕様は全く同じです。
形式:密閉型ダイナミック(Powerful Bass Duct 搭載)
再生周波数帯域:5~28,000Hz
インピーダンス:32Ω
最大入力:1,500mW(JEITA)
出力音圧レベル:105dB/mW
使用ユニット:φ40mm
プラグ:φ3.5mm 3Pミニプラグ(金メッキ)
接続コード長:φ4.0mm 片出しコード3.5m
質量:205g(コード含まず)
付属品:φ6.3mm 3Pプラグアダプター
生産国:中国
SE-M380(左)とSE-M555V(右)
ですが、定価が3,800円と4,500円となっており、700円の差があります。
実売価格はともに2千円台後半です。
また「SE-M555V」はカタログには載っておらず、WEBでも情報はほとんどありません。
上新電機で扱われているようですが、謎のモデルです。
異なる部分
見た目ですぐに分かる違いは、イヤーパッドの材質です。
「SE-M380」はレザーパッドですが「SE-M555V」はベロア調となっています。
SE-M380(レザーパッド)
SE-M555V(ベロア調)
ユニット外側のデザインも異なります。
その色も「SE-M380」は暗いシルバー、「SE-M555V」は明るいシルバーとなっています。
SE-M380(左)とSE-M555V(右)
中身とは関係ありませんが、外箱も異なります。
「SE-M380」の箱はヘッドホンに合わせた形でしたが(箱は捨ててしまったために写真はない)、
「SE-M555V」の箱は角張っています。
SE-M555Vの外箱
比較すると異なる部分はありますが、同一の型から作られているようです。
さらに細かく比較
ヘッドバンドのPioneerのロゴですが「SE-M555V」の方が深くなっています。
SE-M380(下)とSE-M555V(上)
また、プラスティックの光沢も「SE-M555V」の方がありますが、
型は同じですので、これらは単なる個体差であると思われます。
プラグ部分の形状も異なり「SE-M555V」の方が若干太くなっています。
SE-M380(左)とSE-M555V(右)
写真では伝わらないのですが、ケーブルの質が異なります。
太さは同じですが「SE-M555V」の方が柔らかさがあります。
型が付いて絡まらないと思われる分、柔らかい方が良いでしょう。
イヤーパッドの材質が異なると記しましたが、その厚みも異なります。
下の写真のように「SE-M555V」の方が厚みがあります。
SE-M380(手前)とSE-M555V(奥)
肝心の音の差は?
差を認めるのは難しいですが、フィット感を考えると
「SE-M555V」の方が音を逃がしていないような気がします。
個人的評価
以前使っていた「SE-M570」は軽量で、音、フィット感ともに良かったのですが、
イヤーパッドが劣化し、また内部での断線が生じたために「SE-M380」を買いました。
「SE-M380」のイヤーパッドは「SE-M570」よりも丈夫であり、
破れないだろうと判断したからです。
しかし、その分パッドに厚みがなく、またレザーパッドは硬いので
耳を包むというフィット感は良くありません。
アウトドア用ヘッドホンのように、軽く頭を挟んでいるという感じです。
それに対し「SE-M555V」はベロア調で柔らかく、
かつ厚みもありますので、フィット感は上です。
私は密閉型ヘッドホンを好みますので、フィット感は重要です。
よって個人的な評価は「SE-M555V」>「SE-M380」となります。
他のヘッドホン
以前使っていたものです。
RP-HT242(Panasonic)
SE-M570(Pioneer)
この2種を含めて比較すると「SE-M570>SE-M555V>SE-M380>RP-HT242」となります。
「SE-M570」と「SE-M555V」の差は高音部分です。
前者は高音も出ますが、後者はこもってしまいます。
結局、評価は値段の順になったわけですが、肝心のPowerful Bass Ductの効果は?
「耳にこもりがちな音を逃し、パワフルな重低音再生を実現する」としていますが、
音はこもっており、さらに聴いている最中にダクトを指で塞いでも何も変わらないのですが…
次の挑戦?
しかし、こうして比較すると「SE-M380」とあまり変わらない
「SE-M280(定価2,500円)」も気になる…
更新履歴
- 2004/02 作成、公開