[106] Asetek lclc(CPU水冷ユニット)による水冷化と温度変化

2015年5月21日

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Asetek lclc(CPU水冷ユニット)による水冷化と温度変化

Asetek lclc(CPU水冷ユニット)による水冷化

Asetek lclc とは、デンマークのAsetekの水冷クーラーのこと。
lclcとは「Low Cost Liquid Cooling」の略らしい。

構造はCPUユニットとラジエーター部分だけ。
CPUユニットにポンプが内蔵されているので、このようなシンプルな構造となる。

完全密閉型で、冷却液の充填や補充は不要、手軽に水冷を導入できる。

取付開始!の前に

空冷から水冷への入れ替えなので、水冷の効果を確認しなければならない。
そのために、換装する前にCPUの温度を測る。

CPUは、Core2 Quad Q9550(2.83GHz)

Wolfdaleのクアッドコアである。

マシンに負荷をかけて、CPUの温度を確認。

換装前のCPU温度

50℃半ばくらいで止まるようだ。

Wolfdale(45nm)なので、元々発熱はあまりしない。

取付開始!

Intelの純正クーラーが付いているので、これを外し、Asetek lclcに付け替えるだけ。

換装前(純正クーラー)
換装前(純正クーラー)

水冷も非常に簡単になったものである。

ラジエーターの取付

まずは、ケース後部のファンとラジエーターをネジで合体させる。
その後、ケース後部に取り付ける。

並びは、ケース後部から

ファン、ラジエーター

の順になる。

ファンとラジエーターを取り付けたところ
ファンとラジエーターを取り付けたところ

ラジエーターには厚みがあるので、電源のファンが一部隠れてしまっている。

ファンの電源ケーブルをマザーボードに挿すのを忘れないように。

これを挿さないと、背面ファンが回転せず、
ラジエーターを通る冷却液が冷やされないまま、再びCPUユニットに戻ってしまう。

CPUユニットの取付

次に、グリスを塗り直し、CPUユニットを取り付ける。

Intelの純正クーラー(LGA775用)と取付方法は同じ(ピン方式)なので、取付に悩むことはないが、
このピン方式、相変わらずやりにくい。

下手をするとピンが折れてしまうこともある。

ここはAM方式(レバー式)の圧勝である。

CPUユニットを取り付けたところ
CPUユニットを取り付けたところ

CPUユニットからは、電源ケーブルが2本出ているので、これを忘れずに挿す。

その内の片方は、純正クーラーと同じ電源ケーブルであり、マザーボードに挿す。

CPUの温度が上がると純正クーラーのファンの回転数が上がるのと同様、
水冷の場合は冷却液の流れが速くなるのだろうか?

取り付け方は難しくはないが、ラジエーターとCPUユニットをつなぐパイプがかたいので、意外と苦戦した。

空冷→水冷の結果

CPUユニットがきっちり固定されていることを確認し、換装は終了。

換装前と同じように負荷をかけ、CPUの温度を測る。

換装前のCPU温度
換装前のCPU温度

換装前のCPU温度
換装後のCPU温度

換装前の最大温度が50℃半ば、換装後が40℃なので、
約15℃も下がったことになる。

これは大きな効果だが、先述したようにWolfdale(45nm)なので、元々発熱はあまりしない。
オーバークロックしているのならば15℃の降下は大きいだろうが、
定格で使っているため、15℃下がったところであまり意味はない。

で、水冷でCPUファンがなくなることによる騒音の減少だが、
これはあまり変化はなかった。

水冷ポンプ自体の動作音はほとんどないのだが、

・純正CPUファンが静か。

・静音に向かないケースである。

・HDD冷却用のファンがあり、騒音はそれなりにある。

のが、静音化しない原因であろう。

ケース背面のファンを静かなものに交換すれば、騒音は減らせるだろうが、
もしかしたら、ラジエーターの目が細かいため、
そこを通る空気との摩擦音が生じているのかもしれない。

気になること

完全密閉型で冷却液の充填や補充は不要、
「メンテナンスフリー」とのことだが、
後部ケースファンに位置するラジエーターの目が狭く、
ホコリによる目詰まりには注意しなければならない。

それから、空冷の場合、CPUクーラーは、
CPUのみを冷やすものではなく、CPU周辺も冷やしていたことになる。

今回の換装によりCPUクーラーがなくなったことで、
CPU周辺が冷えない可能性がある。

CPU周辺
CPU周辺の様子

具体的には、CPUの左側と下側にヒートパイプ構造(銅色のL字構造)が見られる。

下側の「SILENT-PIPE」と書かれた下にはMCH(Memory Controller Hub)があるわけだが、
そこで発生した熱は、ヒートパイプ構造で上方へ移動し、GIGABYTEと書かれた部分に移動する。

そして、CPUクーラーから発せられた空気で冷やされていたわけだ。

実際、このヒートパイプ構造に触れるとかなりの温度になっており、
MCHの発熱が大きいことが分かるのだが、
今回の換装で、このヒートパイプ構造を冷やすモノがなくなったことになる。

後部ケースファン(ラジエーターの先)や電源ファンがあるので、
ヒートパイプ構造を冷やすものが完全になくなったわけではないが、夏場が心配ではある。

2012年のこの時期にLGA775のマザーをメインマシンとしているのだが、
マザーが逝けば、一式入れ替えとなるだろう…

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